ラブストーリー

映画「愛されるために、ここにいる」至高のフランス映画!あらすじ、感想。

原題:JE NE SUIS PAS LA POUR ETRE AIME   公開年:2005年  上映時間:93分

フランス映画らしく、ストーリーが静かに進みます。

でも退屈はしません。

登場人物は誰もが人間味あふれているので、この映画を見るだけで、様々な人生の機微に触れることができます。

頑固な老人男性と、結婚を控えた女性のひと時を描いた切ないロマンチック映画に仕上がっています。

所々流れるタンゴの曲も素敵!

あらすじ

仕事においても、家族との関係においても行き詰まり、人生に疲れ果てたジャン=クロード。

五十歳を迎えようとする今も、高齢の父との関係は気まずいまま。

別れた妻との一人息子ともぎこちない会話をするのが精一杯だった。

結婚を目前にして幸せなはずなのに、どこか満たされないフランソワーズ。小説の執筆に追われる婚約者のティエリーに対して、寂しい気持ちを伝えることができない日々。

ある日、タンゴのレッスンで、ペアを組むことになったジャン=クロードとフランソワーズ。そこから二つの人生が交差しはじめる――。

本作「愛されるために、ここにいる」のテーマは、親子愛、家族愛、夫婦愛です。

ありとあらゆる愛が詰まっていますが、どれもが上手く融合しているので、愛の過剰供給にはなっていません。

なので「愛が重い!」「そればっかりでツマラナイ!」というような状況にはならないかと。

人生がどーたらこーたらなんてもういいよ、という人には合わないでしょう。

でも人生を振り返りたい人にはぴったりの映画だと思います。

恋か愛か

ジャンは医者から健康のために運動することを薦められ、職場の向かいのビルで行われているタンゴ教室に通い始めます。

タンゴ、いいですよね。音楽もそうですが、踊りもロマンチックで、ぼうっと見ているだけでも楽しいです。

ジャンはタンゴ教室で、フランソワーズという若い女性に声をかけられます。

二人は少しづつ、互いの距離を縮めていくのですが、アメリカ映画のように「じゃあ家行って、キスしてー」のような展開にはなりません。

そこがまたドキドキします。

親子ほどの年の差がある男女。

しかもフランソワーズには婚約者がいるのです。

ジャンはその事実を知りませんが、二人はまるで初恋のように、お互いを確かめ合います。(エロい意味ではなく)

突如訪れた恋に戸惑うジャンですが、プレゼントを買ったりと、フランソワーズにぞっこんです。

でもね、50歳のおっさんが若い子に何やってんだよ、という気持ちにはならないのです。

二人がいいように結ばれるといいなーと応援するような気持ちさえ芽生えます。

愛されるために、ここにいる

ラスト

ジャンとフランソワーズが一緒になってハネムーンへ行くようなエンディングではありません。

二人が見つめ合い、微笑み、タンゴを踊る、というエンディングです。

でもそれでいいのです。

いろんな愛の形があるし、どうなたって人は生きていくのですから。

哀愁、孤独、情熱、そして官能。

ジャンもフランソワーズも人間的でありながらとても美しく、二人のタンゴは静かに私たちの心を揺さぶります。

 

親子愛

さらに心を打たれたのが、50歳になるジャン・クロードとその父親のやりとりです。

この親子は仲がいいわけではありません。

どちらも気難しくて、会ってやることといえばボードゲームくらい。

でも楽しくもないそのコミュニケーションを続けるのは、二人が親子であり、繋がっているからです。

決して言葉にはしない、それどころかケンカをしてしまうクロード親子ですが、本当はお互いを思いやっているのです。

でも親として、子として愛し合っているのに、その思いは内に秘められているので、なかなか気づきません。

ジャンが父の愛に気づくのは、父が死んだ日でした。

深い愛情に触れたとき、50歳のジャンはどうなるのか。

言葉では表せられないので、ぜひDVDをレンタルして見てください。

 まとめ

哀愁という言葉がぴったりな映画でした。

ハゲがいっぱい出てきますが、みんな違ってみんないいです。

ジャンもおじいちゃんなのにすごくセクシー。

そして音楽がとにかく素敵。サントラ欲しいくらいです。