生きていれば辛いことも沢山あります。日本人は特に死について考える人が多いようで、自殺者もけっして少なくありません。
死にたいと思った時に映画を見る、という人は稀だと思いますが、もしかしたら私のように「映画に救われたい」と思う方もいるかもしれません。
そんな方のために、このページでは(元鬱である私が)死にたくなった時に見たい映画10作品を紹介します。
元気が出る映画はもちろん、人生について考え直したくなる映画、逆に暗い気持ちが加速してしまうような映画も紹介しています。「元気だせよ!」という無責任な励ましはしません。
参考にしたい人だけ参考にしてください!
目次
Mommy マミー
原題:Mommy 公開:2015年 上映時間:134分
多動性障害のため情緒不安定になりやすく一度スイッチが入ると攻撃的な性格になってしまう息子と、社会を生き抜くために強くならざるを得なかった母親の、静かで悲しい物語。
グザヴィエ・ドラン監督の何が好きかって、おしゃれな音楽と映像を融合させ、それを物語におとしこみ昇華させる能力なんですよね。雰囲気映画といえばそれまでだけど、でもその雰囲気が唯一無二で最高。
本作のラストはとても悲しく、でもひとすじの希望を感じます。障害を持った子供と母親の単なるお涙頂戴の映画に終わっていない点が素晴らしいです。ストレスがたまって、つらい気持ちに押しつぶされそうなときは『mommy』を見て泣きまくります。
特に劇中歌(サントラ)がめっちゃ素敵!!!セリーヌ・ディオンのOn Ne Change Pas、Counting CrowsのColorblindのシーンだけでもいいから見てください。
残念ながら本作はどの媒体でも配信されないので、気になる方はTSUTAYAなどでレンタルするかDVDを購入してください。
チョコレートドーナツ
原題:Any Day Now 公開:2012年 上映時間:92分
1979年カリフォルニア、歌手を目指しているショーダンサーのルディと弁護士のポールはゲイカップル。
母親に見捨てられたダウン症の少年マルコと出会った二人は彼を保護し、一緒に暮らすうちに家族のような愛情が芽生えていく。
しかし、ルディとポールがゲイカップルだということで法律と世間の偏見に阻まれ、マルコと引き離されてしまう。
あまりにも悲しいエンディングには涙が止まりません。でも迫害や差別の中で見つけた愛と幸せは、いつまでも思い出として残るんですよね。
誰かがその人のことを覚えている限り。愛と幸せについて感じられる映画です。
*すっごい気分が落ち込んで、どこかに行ってしまいたくなった時はこの映画を見ます。
アリスのままで
原題:still alice 公開:2014 上映時間:108分
若年性アルツハイマー病と診断された50歳の言語学者の苦悩と葛藤、そして彼女を支える家族との絆を描く人間ドラマムービー。事あるごとに、色んな所で紹介しています
雑誌東京グラフィティで紹介したのもこの映画です。
関連記事:お知らせ|雑誌「東京グラフィティ」にコメントを掲載して頂きました!
もし家族がアルツハイマーになり、自分の事を忘れたら。そんな風に思うと胸がギュッとなります。でもアルツハイマーも認知症も、誰にでも起こりうる病気です。
だからこそ備えないといけないし、家族がなったら向き合わないといけない。
家族の支え、家族の愛、それを忘れてしまう、忘れられてしまう悲しみについて深く考えちゃう映画です。
オンリーザブレイブ
原題:Only the Brave 公開:2018年 上映時間:134分
巨大な火災に立ち向かった森林消防隊を描いた実話映画。毎回見るたびにありえなくらい泣いてしまいます。
しかしお涙ちょうだいの感動映画にはなっておらず、キャスト、スタッフの誠意を感じる映画です。元気が出る物語ではありませんが、見ると「生きなきゃ」と強く思います。
自分の今の状況、苦難はなんてことはないのだと。辛い時や不安な時に見たい人生で最も大切な映画の一つです。
明日、君がいない
原題:2:37 公開:2006年 上映時間:99分
午後2時37分。ある高校で誰かが自殺を図る。自殺するのは誰なのか、いったい何が原因だったのか。時間は戻り、真実が明らかになる…。
ドキュメンタリーのような、サスペンスのような映画です。2回見てしまって後悔している映画でもあります。できるなら一生見たくありません(でもきっとまた、見てしまうんですよね)
それほどまでに心をえぐる作品となっています。なんでも監督の友人が自殺をし、そこから着想を得たとか…。
自殺をしないと認識すらされない人、というのがテーマなんですが、見る人によっては辛くなってしまうので、注意が必要です。でもきっと、この映画に救われる人も居るかもしれないので紹介しておきます。
インターステラー
原題:Interstellar 公開:2014年 上映時間:169分
近未来、地球規模の食糧難と環境変化によって人類の滅亡のカウントダウンが進んでいた。
そんな状況で、あるミッションの遂行者に元エンジニアの男クーパーが大抜てきされる。そのミッションとは、宇宙で新たに発見された未開地へ旅立つというものだった。
これは愛と科学の映画です。エセ科学ではなく、実際の科学者が現実可能か話し合って作成されました。
映像美もすごくて、ハラハラする展開もりだくさんで一つの作品としても楽しめますが、宿命・家族への愛という点から見ても面白いSF映画です!
次元を超えて繋がる愛には感動がとまりません。上映時間が長いのがネックですが、意外とサクっと見れますよ。
グレイテストショーマン
原題:The Greatest Showman 公開:2018年 上映時間:105分
ヒュージャックマンによるミュージカルドラマ映画。見栄の為にユニークな人を集めサーカスを結成するストーリーですが、注目して欲しいのは歌と踊りです。
ミュージカルが得意ではない私でも楽しめて、たくさんの元気が貰えたのは歌詞に込められたメッセージと、素晴らしいダンスのおかげでしょう。
特にアカデミー賞候補になった歌「this is me」は聞くだけで元気が出ます。ありのままの自分でいい。何もしていないのに、謝らなくていい。
自分を肯定できる歌詞が胸に響きます…。
ジェイコブスラダー
原題:Jacob’s Ladder 公開:1990 上映時間:115分
人は、一日に一歩ずつ『ジェイコブの階段』を登っている。
つまり人は毎日死に近づいているという意味です。聖書の言葉です。
ジェイコブスラダーはホラー映画っぽい内容で、ある男の走馬燈を描いています。生への執着を見せる男が、死を受け入れるというものです。
「死に怯えながら生きると悪魔に命を奪われる。でも死を受け入れると悪魔は天使になる」
死は怖いものではないというメッセ―ジですが、もちろん死を推奨しているわけではありません。
キリスト教の教え的な映画なので、ピンと来ない人も多いと思いますが、ホラーが苦手でなければ見て損はないかと思います。
ビッグリボウスキ
原題:The Big Lebowski 公開:1998年 上映時間:117分
アメリカでは深夜に見る映画といえばコレ!というほどの定番深夜ムービー。
無職で気ままに暮らす“デュード”が、狂言誘拐に巻き込まれるシュールコメディです。ビッグリボウスキを見ると毎回「ちゃんと生きなくてもいいんだ」と思えます。
デュードのような、無職でテキトーで、でも幸せな生き方は憧れる人が多いようですね。だからこそ人気のある映画なんでしょう。
毎日あくせく働いて、疲れ切って、人生ってなんなんだろうと心を殴り続けるより、一度レールを外れてデュードになるのもいいかもしれません。
インサイドヘッド
原題:Inside Out 公開:2015年 上映時間:94分
誰もが持っている喜怒哀楽をテーマにしたストーリーです。
喜びという感情が、悲しみという感情を排除しようとしますが、「悲しむことも時には必要だよ」というメッセージがこめられています。
子供向けディズニーなんですが、大人になってみると涙腺が緩みますね…。大人になると泣いちゃいけないとか、大人らしくちゃんとしなきゃとか、色んなしがらみや抑制があります。
でも辛い想いや悲しみを胸に置くに押し込めると、主人公のライリーのように「無」になってしまいます。だから時には悲しみに向き合ってあげることが必要なんですね。
どうしようもなく感情がぐちゃぐちゃになっても良いじゃない、なんて思わせてくれる映画です。
クレヨンしんちゃん大人帝国の逆襲
公開:2001年 上映時間:89分
大人たちが遊園地にのめりこんで、子供たちを見捨てる。その中で家族愛を思い出す。大人が洗脳されたり、飛び降りようとしたり、ショッキングな内容が多いです。
でもそのリアルさが、大人帝国の人気の理由だと思います自分の中にある子供のころの記憶をふと思い出してしまうので、涙腺が緩みます…。
どうして子供の頃素直じゃなかったんだろう。日夜働いて、休みの時に自分を旅行に連れて行ってくれた両親は、何を考えていたんだろう。
なんて思ってしまいます。
特に好きなのはしんちゃんがヒロシを、ヒロシが自分の父親を想うシーンです親子は続いて行くといいますか、みんなが誰かの子供なんだなあと。
見終わった後は自分を大切にしよう。それがきっと親を大切にすることに繋がるのかな、なんて思っちゃいます。
まとめ
死にたくなった時に見たい映画をまとめました。個人的に好きな映画ばかり紹介する形になっちゃいました。
たぶん「死にたい時に見たい映画」は人によって全然違うと思います。なので死にたくなった時用に、あなた自身の映画リストを作るといいかもしれません。
元気が出る・癒される映画についてはサブカルメディアuzurea.netで紹介しています。あわせて読んでみてください!