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考察「アイデンティティ」壮絶なラストとは?真犯人が超怖い!

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原題:Identity  公開:2003年  上映時間:90分

嵐の夜、モーテルで起こる連続殺人事件。そして次々と消える死体。

犯人はだれなのか?一体何が起こっているのか?

アイデンティティはめちゃくちゃ面白いサスペンス映画です

ただし、解説を読まないとなんのこっちゃという終わり方なので、このページでは感想とあわせてネタバレあらすじ、考察も紹介します!!

*ネタバレ注意です

アイデンティティのあらすじ

激しい豪雨が降り続く夜、人里離れた一軒のモーテル。管理人ラリーがくつろいでいるところへ、ひとりの男が飛び込んでくる。

彼、ジョージは息子ティミーを伴い、交通事故で大ケガをした妻アリスを運び込む。救助を要請しようとするが電話は不通だった。アリスをはねたのは女優キャロラインの運転手で元警官のエド。

彼は病院へ向け車を走らせるが、途中で立ち往生し、やむなくモーテルへ引き返すことに…。

さらにある時、ある一室で、既に死刑判決の下った事件について再審理が行われようとしている。ポイントとなっているのは、その事件の連続殺人犯である囚人が書いた日記だった。

見る際の注意点

最大の問題は、登場人物の多さにあります。

確か男女合わせて10人くらい居たかな。

誰が誰だか分かったか、混乱することなく見れるでしょう。

ストーリーの糸は多少ねじれていますが、そんなに難解というわけではないと思います。

というか勘のいい人なら中盤で真実が分かるかも。

そうは言っても、最後までドキドキワクワクしながら視聴できる映画ですよ!

丁寧すぎるあらすじ

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 嵐の中モーテルに次々とやって来る男女たち。

車にはねられケガをした妻、助けたい夫、6歳くらいの男の子。

車で跳ねた運転手の男(元警官)、運転手の雇い主の女優。

5時間前に結婚した若いカップル。

劇中キャーキャー叫ぶ娼婦の女。

囚人を護送中の刑事と、囚人。

モーテルの管理人。

まず事故が起こり、お母さんが跳ねられるのですが、けっこうビックリします。

ボン!とはねる体とか。ドバドバでる血とか。リアル事故っぽいです。

息があるので近くのモーテルに運びこむのですが、それが惨劇の始まりでした…。

最初の犠牲者は女優です。雨の中携帯電話の電波を探して歩いていると、何者かに襲われます。生首がコインランドリーでコロコロしているシーンは思わず目を背けました。(ちょっとだけグロいです)

そこで場を仕切る元警官のエドと現刑事ロードは、ルームキーを見つけます。

それはなぜか刑事ロードの部屋のルームキー。

部屋へ行ってみると、なんと囚人が逃げていたのです!ということは囚人が犯人か!?

次の犠牲者は5時間前に勢いで結婚したカップルの男。

刃物でズタズタにされますが、やはり犯人は分かりません。

傍には9のルームキーが落ちていました。

みんなは逃亡した囚人が犯人だと思い、彼を捕まえます。

でもどうやら彼は犯人ではないみたい…。

次の犠牲者は逃亡した囚人です。縛っておいてモーテル管理人に見張りを頼んでいたのですが、ちょっと目を離したすきに囚人が死んでいたのです。口にバットを突っ込まれて…。ショッキングなシーンですが、生首ほどビックリはしません。

傍に落ちていたのは8のルームキー。

みんなはモーテルの管理人が実は犯人ではないかと疑います。

客の財布を盗み、太った男の死体を冷凍庫に隠していたから。

「やばっ」と思ったモーテルの管理人は逃げようと車に乗り込みます。やっぱりこいつが犯人か!?

その時、車の目の前に子供が!助けようとお父さんが飛び出して、お父さんもまた跳ねられて壁にぐちゃっとプレスされます。

けっこうグロいです。目の前でお母さんが跳ねられ、お父さんも跳ねられて、子供はもうトラウマですよね…。

さて、冷凍庫の死体は誰なのか?実はその死体こそ、モーテルの本当の管理人なのでした。男はお金欲しさに管理人に成りすましていたんですね。で、死体は冷凍庫に隠したと…。

誰もが心に闇や嘘を隠しているので、「なぜ?」という疑問は付きません。

次の犠牲者は最初に車にはねられた子供のお母さんです。事故に会って息絶え絶えでしたが、ついに死んでしまいます。傍には6のルームキー。

あれ?7がないぞ!

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という事で、ついさっき跳ねられたお父さんのポケットを調べると7のルームキーが見つかります。

いやいやおかしいぞ!これは事故なんだ。なぜルームキーが順番どおりに発見されるのか??まさか誰かが仕組んだ?でも事故を仕組むなんてできるはずがない!

観客の頭の中は「???」だらけでしょう。

一体誰が犯人なのか?どうやったのか?

このモーテルはおかしい、という事で元警官のエドは残った娼婦と、カップルの女、子供を車で逃がそうとします。

しかしカップルの女と子供が車に向かうと、車が爆発!

いっきに二人が死ぬのです。

でも不思議なことに死体がない!どういう事??

はねられたお父さんの死体もないし、バットを咥えた囚人の死体もない。生首もない。死体も血も全部消えてしまったのです!

もう訳がワカラナイヨー!!

そこで生き残った人たちがあることに気づきます。

モーテルに集まったみんなの誕生日が5月10日であると。そして名字や名前がアメリカの州であると…。

もう一つの舞台

実はモーテルとは別のところでも話が展開されています。

それは連続殺人を犯したある死刑囚の処遇についてです。

雨の中、屋敷に集められたのは、精神科医、弁護士、検事など。

死刑囚は精神分裂病、いわゆる多重人格で、肉体を罪に問うか精神を罪に問うかの審問を行っているのです。

殺人を犯した人格を消せば、死刑囚自身は病院送りでいいでしょって話し合いですね。

ここまで来ればみさなん話のオチが分かるかと思います。

アイデンティティのラスト

実はモーテルでの出来事は精神患者の頭の中での出来事だった!

だからあり得ないことが起こっていたんですね~。

人が死んでいたのは、人格を殺していたからです。

では一体誰が、現実世界で連続殺人を起こしていた人格なのか??

元警官のエドは、刑事ロードだと気づきます。ほんとうは刑事も刑事ではなく、囚人が逃亡のため刑事のふりをしていたんですよね。

二人は対峙をしてどっちも銃で撃たれ死んでしまいます。

生き残ったのは娼婦の女。彼女は一人生き残り、それ以外の人格は全て消えてしまったのです…。

アイデンティティの真の犯人

精神病の死刑囚は、殺人を起こした人格が消えたので、死刑を免れます。

しかしちょっと待った!

実は殺人を起こした人格は刑事ロードではなかったのです。

なら本当に悪い人格はだれなのか?

それは子供です。

えって感じですよね。私もそうでした。

車の爆発で死んだはずじゃないの?いえ、実は子供が車を爆発させていたのです。

こっそり生き残った子供の人格は、娼婦の人格を殺し、死刑囚の身体を乗っ取ります。

そして最後、現実の世界の護送車の中で、精神科医を殺します。

話が長い、もっとまとめろ!

はい。すいません、まとめます

連続殺人が起こるけど、実は死刑囚の人格統合によるものだった!

そして人格統合されたと思いきや、悪い人格だけは生き残っていた…

賛否両論ある終わり方、展開ですが、私は好きですよ。

精神病という設定は逃げじゃないのか?とも思いますが、それでも素晴らしい脚本だと思います。

散りばめられた小さな謎が解決してくのは快感です!

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そして子供の人格が殺人を犯していた、というのも背筋がぞわっとしますね。

人を殺せるのは大人だろう、という思い込みを突いたエンディングには脱帽です。

ミステリーとして考えれば、物足りないです。トリックを真面目に考えてしまう人は怒っちゃうかも。

でもホラー、パニック映画として見たら大満足だと思います。

キャストはみんな演技がうまいので、映画にのめり込めるし。

2回3回見ても発見が多いので、何度でも楽しめる映画に仕上がってます!!

まとめ

多重人格系の映画ってやっぱり面白い!!

考察を読んでから見るとまた違った発見ができますよ