2004年に4人の大学生が実際に起こした強盗事件を映画化した「アメリカンアニマルズ」
インタビュー形式で実際の犯人も登場しています!
試写で鑑賞しましたが、けっこう胃が痛くなる作品でした…。
理想の人生を送りたい、人生を変えるような面白いビッグイベントが起らないかなと待っている人もいるでしょう。
本作はそんな人たちに向けた警告の映画でもあります。このぺージでは「アメリカンアニマルズ」のあらすじ、感想、キャストを紹介します。
公開は 2019年5月17日(金)
アメリカンアニマルズ映画情報
タイトル | アメリカンアニマルズ |
英題 | American Animals |
上映時間 | 116分 |
日本での公開年 | 2019年 |
製作国 | アメリカ |
オススメ度 | [jinstar3.5 color=”#ffc32c” size=”16px”] |
アメリカンアニマルズのあらすじ
ケンタッキー州で退屈な大学生活を送るウォーレンとスペンサーは、くだらない日常に風穴を開け、特別な人間になりたいと思っていた。
ある日、2人は大学図書館に保管されている時価1200万ドルを超える画集を盗み出す計画を思いつく。
2人の友人で、FBIを目指す秀才エリック、すでに実業家として成功を収めていたチャズに声をかけ、4人は「レザボア・ドッグス」などの犯罪映画を参考に作戦を練る。
作戦決行日、特殊メイクで老人の姿に変装した4人は図書館へと足を踏み入れるが……。
アメリカンアニマルズの感想
4人の大学生は「世界なんかつまんねー」「刺激的なことがしたい」と図書館にある貴重書の強盗計画を思いつきます。
どんな風に奪おうかな?オーシャンズ11みたいにスタイリッシュにしたいな!と話し合う4人はとても楽しそう!
しかしポイントは、本作が実話物語であること。
エンタメ映画のように進むはずがありません。
ネタバレなしと言っていますが、まあ実際の事件を描いたという時点で結末は予想できるかと思います。そうです、彼らは逮捕されます。
なのでアメリカンアニマルズでは結末が面白い!というより、そこに至るまでの過程や演出が面白い作品になっています。
例えば実際の犯人である4人のインタビュー動画。それぞれの話に矛盾があるのです。
脚本が練られたエンタメ映画的にはアウトです。しかしこれは実話物語。現実世界で生きる我々の記憶力なんて結構当てになりません。
答えられたとしても、正確かどうかは分かりません。場合によっては確かめようもありません。
本作では事件を起こした本人たちのインタビューを、ありのまま紹介しています。
なので本当かどうかは分かりません。
矛盾点があると気づいた時、ああこれは映画ではなく実話なんだとハっとしました。
事件当時だれが何をしていたのかなんて、実のところ本人しか知らないわけですから。
またアメリカンアニマルズでは生なましい事件描写が楽しめます。
生なましいというのは、ドラマ「ハンニバル」映画「セブン」のように猟奇的、グロテスクという意味ではなく、主観的に感じるという意味です。
例えば事件を起こす際、めちゃくちゃ緊張して心臓がバクバクとなり、手が震え、周りの音がうるさく鳴るシーン。
嫌でも役者たちに共感してしまって、私まで緊張しちゃいました!
もう本当に心臓がどきどきして、嫌な汗をかきましたね…。しかも最難関である図書館司書を気絶させるシーンはリアル過ぎて見るのがつらかったです。今でも思い出して、ちょっと心臓が痛くなります。
しかもこの同調・共感は中々終わりません。
彼らのように人生を変えたい、特別なビッグイベントが起って欲しいと願っている人ほど、共感してしまい、中々そこから抜け出せないと思います。
さすがに人生を変えたいからといって犯罪を夢想する人は少ないと思いますが、しかし、何かを変えたいと鬱屈している人はいるでしょう。
そこでもし悪い行動を起こしてしまったらどうなるのか。その答えがアメリカンアニマルズにあります。
鑑賞後は「自分を変えるのは良いけれど、刺激を求める為に悪い事をしちゃダメだよ」なんて当たり前のことを思っちゃいました。
学校で先生が「道を外れるなよ」と話してくれるかもしれませんが、アメリカンアニマルズを見せた方が視覚的にやっちまったらどうなるのか、その代償が伝わる気がします。
私たちは犯罪とは無縁の場所にいる。そこで刺激を求めてあちら側に行ってしまったら…、もう後悔しても手遅れ。
そんな当たり前を改めて噛みしめる映画でした…。
アメリカンアニマルズのキャスト
監督 | バート・レイトン |
ウォーレン | エバン・ピーターズ |
スペンサー | バリー・コーガン |
チャズ | ブレイク・ジェナー |
エリック | ジャレッド・アブラハムソン |
まとめ
「アメリカンアニマルズ」のここに注目!
- 刺激が欲しい!と大口を叩いた犯人たちが実際にやったこと
- それぞれの登場人物が本当に見た物・人
- 誰の視点の物語なのか?
犯罪者の立場から見える景色は、決してこちらからは見えません。でもその景色に価値はあるのでしょうか??
自分を変えたくて環境を変えたくてイライラしたりどうしようも無くなっている人に見て欲しい映画でした!